大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第三小法廷 昭和31年(あ)461号 決定

主文

本件各上告を棄却する。

理由

被告人四名の弁護人池田輝孝、同関原勇の上告趣意第一点は単なる法令違反の主張をいでず刑訴四〇五条の上告理由に当らない。(「起訴事実がたとえ認められるとしても、それは微罪であり、共同生活上殆ど放任された行為でこれを違法視することはできない」との旨の主張は、刑訴三三五条二項にいう法律上犯罪の成立を妨げる理由又は刑の加重減免の理由となる事実の主張に当らないとした所論の原判示は相当である。)

同第二点は単なる証拠の欠缺、経験則違反、事実誤認の主張にすぎず、同第三点は事実誤認の主張をいでず、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 垂水克己 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例